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伏屋のづ

Author:伏屋のづ
Mail:nuderiff@gmail.com

書き殴った【おむつ・おもらしフェチ】系妄想置いてます
だいたい月一でもえないごみがふえるよ
文章も構成も壊滅的なんで重箱の隅突きなど歓迎中
萌えについて模索中なので作風も質もブレまくるよ

2016/01
>あいかわらずにほんご書けてねえ
>よかったら好きなシチュ語ってもらえるとうれしいです
@ごみばこ

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リハビリその5

濫育監護児 西口ゆたかのケース

 内心は、誰にも侵されはしない。だから、心の中だけで毒づけばいい。
 たとえそれが二週間ぶりの休学復帰当日、ホームルーム中に教師の隣に立たされた時でも。
「これからは、みんなの言うことを聞いて、素直でいい子でいるんだよ」
 小声で噂を交わしては含み笑いを隠そうともしない同級生たちの前で、16にもなってまるで幼稚園児のような約束事をさせられたとしても。
「………………わかりました」
 苦虫を潰した顔でスカートのすそを抑えた西口ゆたかに、抵抗の選択肢は存在しなかった。
 秘めた意思も覚えた言葉も、今のゆたかでは滑稽に聞こえるのが落ちだ。
「センセー、ゆたかちゃん、さっきからずっとスカートの中身見えちゃってますけど」
 一人の男子生徒の下卑た野次で、教室が湧き、ゆたかの顔が朱に染まる。
 後ろ手で必死に隠して見せても、短過ぎたスカートの中の下着には隠せはしなかった。
「ゆたかちゃんは監護児と認定されたので今は一歳相当の生活機能制限中なの。紙おむつだってゆたかちゃんの大事な下着だから、みんなも優しくしてあげてくださいね」
 教師の暴露に教室がざわめく。教室中に黄色い声や嘲笑が飛び交う。
「カワイイ! 西口さん、本当に赤ちゃんになっちゃったんだ!」
「変態じゃね、人前で放尿とか。人間終わってんだろ、アレ」
 ゆたかが教師に促されスカートをたくし上げると、同級生たちが一斉にふざけて悲鳴を上げた。
 渦中のおむつ少女は耳まで赤く羞恥に染めて、わなわなと一文字に結んだ唇を噛み締めている。
(ちがう……わたし、あかちゃんじゃない……こんなの、ぜったいまちがってるの……!)
 心の中で、そう必死に唱えてみても。
「あ、あう……えぐっ、うぁぁ…………」
 口から漏れたのは、生まれたての赤子がつぶやく喃語のような甘い声。口元から一滴のよだれが垂れるだけで、クラスメイトの狂騒はより酷く悪化していった。
「あれが監護児、だっけ? 実物見るとキッツイな、やっぱ」
「最悪30過ぎても赤ん坊でいなきゃいけないんでしょ? 三十路になっても赤ちゃんと一緒におむつ替えされるとか、下手すりゃ同級生の娘と一緒の保育園通ってたりして」
「すきだったのになー……さすがに、おむつが必要なレベルまで落第とか。ないわあ」
 赤ん坊だと口々に囃されても否定できなかったのは、市販の紙おむつと同じ幼児用製品と同じデザインの特注品を穿かされていたせいだった。
 そのおむつから、急に激しいアラーム音が鳴り響く。
「うっ……あ、うぅっ…………!!」
 全員の視線が突き刺さっても、ゆたかは苦悶に表情を歪めながら、ただ小さく震えるばかりだ。
 教師は何事も動ぜず、平然とゆたかに起きた変化を説明し始めた。
「今の音が、昨日説明したゆたかちゃんのお漏らしを知らせるアラームです。では、早速ゆたかちゃんのお世話当番を決めたいと――」
 涙と嗚咽に溺れ、自らの感情に呑まれたゆたかに、もう周りの声は聞こえなかった。
 尿意を感じた時にはもう、おむつの中が暖かくなっていた。決壊を留めようとガニ股になったせいで、スカートから顔をだした紙おむつが、黄色く染まっていく様さえ見られてしまった。
 教室中に広がる薄ら寒い偽善にも、今のゆたかには何も言い返せない。
 押し寄せる排泄欲に飲まれるまま、紙おむつをぐずぐずと汚す「大きな赤ん坊」は、新しい紙おむつに替えてくれる同級生たちを、ただ静かに涙で待つしかできずにいた。

 濫育――育ちを濫用している、といわれても訳なんてわかるはずもないのに。
『あなたは学校から支給されたID以外でSNSと契約し、学生として不適切な言動を繰り返していることを確認しました。よって、私たちはあなたを指導する立場として』
『いいでしょ別に! それくらいみんなやってるのになんで私だけ!!』
 ある日生徒指導室に呼び出され、教師たちに理不尽なレッテルを貼られてから、ゆたかの自由はいとも容易く剥奪されてしまった。
『はーい、痛くないよう。すぐに終わるからねえ』
『やだあああっ!! 離してっ、や、やめてっ――赤ちゃんになるのだけはやだああっ!!』
 監護対象児童――それが自由に責任を持てないと決めつける、体のいい支配理由。
 両腕を掴まれ車に乗せられ、連れて来られた保健所で泣き叫んで抵抗しても、腕に注射針を刺された瞬間、ゆたかの意識は闇に堕ちた。
『おはよう、ゆたかちゃん。ほら、おむつ変えるじっとしてようねえ』
『うそ……。わ、わたし……お、おねしょなんて……、ひぐっ、ふええぇ……!』
 再び目覚めたゆたかを待っていたのは、ぐっしょりと濡れた少女サイズの特注幼児用おむつの感触と、ベビーベッドの中で行われた、保育士によるおむつ替え。
 その日からゆたかはずっと、「おむつの取れない一歳児」として、生かされてきたのだ。

 昨日まで友達だったクラスメイトも、今となっては存在すらも煩わしい。
 授業直後の休憩時間ともなると、ゆたかの周りには生徒たちが集まった。
「ゆたか、ちゃんとちー我慢できてるじゃん、えらいえらい」
「ふ、ふざけないで……私は、赤ん坊になったわけじゃないんだからっ」
「この前駅前でおむつからもおしっこ漏れちゃって泣いてたって聞いたけど?」
「だっ、誰が見てたの?! あ、あれは漏らしたんじゃなくて、間に合わなくてっ」
「おむつにしちゃっても仕方ないよ、一歳児レベルだったら……」
「ちがうのっ、いっさいじゃないっ、おないどしなのに!」
 口喧嘩で負けたことがないのが自慢だったゆたかにとって、どんなに訴えても感情的になるほど口調が幼くなってしまうのは、周囲の嘲笑よりも辛い仕打ちだった。
(変な処置のせいだ……なんで私が、みんなから赤ん坊扱いされなきゃいけないの!?)
「あ、ご機嫌ナナメだ。ゆたかちゃんかわいいー! うちの妹みたい!」
「えー、あやちーの妹もうおむつ取れてるじゃん、ゆたかちゃんと一緒にしちゃ可哀想だって」
「さ、さんさいのこといっしょにしないで! わたしは、こーこーせーなのに!」
 ムキになればなるほど、からかいは激しくなり、ゆたかも更に情緒不安定に陥ってしまう。
 そうしてにやにや笑うクラスメイトに抗議するほど、『失敗』の回数は増えてしまった。
「ちがうの……ちがうもん……うぅっ……ふえぇぇ…………!」
「あー、ゆたかちゃん、またやっちゃったあ! せっかくおむつ卒業できると思ったのにねー」
「あーあ、おむつに漏らしちゃって。ゆたかはほんとに赤ちゃんだなあ」
「あかちゃんじゃないぃぃ……!! うああああんっ!」
 中腰になってぷるぷる震えながら、自分がこーこーせーのお姉ちゃんだと主張しながらおむつを汚す落第生徒の世話は、退屈な学生生活に文字通りの「潤い」に満ちたイベントだった。
 誰もがゆたかのおむつの世話を楽しみに、積極的にゆたかをからかい、泣かせ、競うようにお漏らしへと追い詰めていった。
「あ、先生! ゆたかちゃんがお漏らししちゃったからおむつ換え行ってきますね!」
「いっ、いちいち言わないでよ……。えぐっ、おもらしって、いっちゃやだぁ……!」
 だが、たとえからかう者がいなくても、ゆたかはすでに自分の体のコントロールを失っていた。限られた能力の中でも精一杯自分を保とうとしても、三十分も経たない内におむつの中に入っているセンサーが、けたたましくゆたかのお漏らしを周りに知らせてしまう。
 お漏らしを隠そうといやいやと頭をふっても、最後にはかならず、教室の後に用意されたゆたか専用の『おむつ替えスペース』に連れて行かれる運命だった。
「はーい、あんよあげますよぉ~。うわあっ、ちっちいっぱいでちゃってまちゅねぇ。うふふ、ゆたかちゃん、おしっこくちゃいおむつの赤ちゃんになってもちゃんと16歳の部分も残ってる。ほら、おしっこの量だけはお姉ちゃん並でよかったでちゅねぇ」
「やだやだやだああっ! そんなのおねえちゃんじゃない、あかちゃんなの!!」
 制服のプリーツスカートをお腹の上までめくり上げられ、赤ん坊同然に両足を上げられたおむつ替えだけでも生き恥なのに、同い年の同級生たちに濡れたおむつを晒さねばならない恥辱は、ゆたかのなけなしの理性さえ粉々にしてしまう。
「ゆーちゃん新しいおむちゅでちゅよ。もうちっちおむちゅないないちまちょうねぇ」
「あうぅ……。あ、あかちゃんなの、やだぁ……おねえちゃんしゃべりしてよぉ……」
 涙に溺れ、情けない懇願を繰り返すゆたかに、同級生たちは優しくはなかった。
「わかってまちゅよー、ゆーちゃんはおむつのおねえちゃんだもんねぇ」
「ちがうぅ……おむつはあかちゃんなの、ゆたかは、おねえちゃんがいいのぉ……!」
 新しいおむつを替えられたあと、ゆたかはかならず涙と鼻水でぐしゃぐしゃに汚れた顔を同級生の胸元に顔を埋め、甘えるように抱きついた。スカートも履かず、おむつのお尻を晒したまま幼児語でぐずる少女は、自らの執着に反して、着々と幼稚な下着に適応を深めていくばかりだった。

 ゆたかの告白から二週間。在りし日の勝気な女子高生の面影は、もはや影も残っていなかった。
「はい、ゆーちゃん。この前教えたように、ちゃんとできるよね?」
「あ、あい……ゆたかのちっちでよごれないように……スカート、もってくだちゃい……」
「よくできましたぁ! ゆたかちゃんはおねえちゃんだねえ、おむつもパンツおむつだし!」
「あ、あうぅ……」
 今のゆたかの学校生活は、クラスの「ゆたかちゃん係」にスカートを預けることから始まる。
 穿いたおむつから漏れ出した尿量が多く、スカートに尿臭を染み込ませることが多いからだ。
 教室から校内まで常に幼児用紙おむつで徘徊する赤ら顔のおもらし女子高生は、あっという間に学校中の「恥」として知れ渡ってしまった。
 一人では出歩けないと世話係の腕をぎゅっと握って離さない親指しゃぶりのおむつ女子は、常におどおどと人目を気にして、時折きゅっと内股を絞って小さく震える姿を人前に晒し続けた。
「ゆーちゃん、さっきからわたしのそばにきてどうしたの? 保健室まで間に合わない? もうぱいぱい欲しくなっちゃった?」
「ち、ちがうの! ゆたか、おねえちゃんだからぱいぱいほしくないの!」
「あれ……まだ学校通ってるんだ、あのお漏らし先輩」
「いい加減保育所に預けられりゃいいのに。学校中おしっこ臭くしないで欲しいよ」
 すっかり板についた幼児語で叫ぶ度に、行き交う下級生や異性生徒から笑われてしまう。
 臆病心に障る嘲笑を避けるようになると、ゆたかの発語も日に日に数を減らしていった。
「ゆー、ちーでたら言わなきゃだめでしょ! そんなんだからおむつの赤ちゃんなんだよ!!」
「ひっ、ひうっ……ご、ごめんなさ……あ、あぁ……!」
「またなの? 怒られてる時まで漏らしてさ。そんなに赤ん坊がいいなら保育園にでも行けば?」
 ゆたかが小さな小言でさえおむつを汚すようになると、同級生たちの態度も変わってゆく。
 羞恥プレイも手に余る厄介扱いになり、濡れたおむつのまま放置される回数も増えてしまった。
「ほら、そんなに紙おむつ変えて欲しいなら教えた言葉くらいちゃんと言いなよ。愚図の小便垂れなんだから、せめて媚びくらい上等にしたら?」
 交換回数を減らすために無理やり穿かされた幼児用おむつは、脱げないように二重三重に重ねられ、今にも破れそうなほど張り詰めていた。そもそも16歳が穿くことを想定されていないため、横に伸びたバックプリントはだらしなく歪んで、今時の乳幼児が穿くフィット感やボトムスの中で強調されない控えめなフォルムとは真逆の、クッションボールのように下半身を膨らませている。
 どこから見ても恥ずかしいおむつの子は、濡れたおむつを替えてもらうためだけに、格好の道化と化していった。
「ゆ……ゆたかは、こーこーせーのくせに……おむつにちっちする、あかちゃんでちゅ! おにいちゃん、おねえちゃん……ぐすっ、おねがいっ、あかちゃんゆたかの、おむちゅかえてぇ!」
 濡れたおむつを両手でまさぐりながら、涙ながらに同級生様に『新しいあかちゃんおむつ』の慈悲を請う。クラスメイトたちは、ひとしきりその無様を笑っても、ゆたかに施しは与えなかった。「ねえ、ちゃんといったよ! なんでおむちゅくれないの!? おねがいっ、もうちーでてるの!」
「もう、おしっこ臭いよ。あんたなんか保育園行けばいいんだって、ほらあっち行けよ、邪魔!」
 玩具に飽きた嗜虐者たちは、見切りをつけるのも早かった。残酷なことに、ゆたかが赤ん坊としての言動を身につければ身につけるほど、学校の中にゆたかの居場所はなくなっていった。
「えぐっ、ふぇえっ、うああああん、あああああん…………!」
 最後にはおむつから漏れた水溜りにへたり込んだゆたかを、周りの生徒たちはまるでいないもののように扱った。
 ――ゆたかが高校を退学したのは、復学から丁度一月と一週間後のことだった。

 二〇XX年。目立つ反社会性非行活動を取り締まるだけでは健全な児童発達は保証できないーー 監護児童指定政策はそんな謳い文句を掲げて生まれ、賛同と共に世に迎え入れられた。
 実際は、ゆたかのケースのように『監』としての能力制限処置(手術により一時的な知性低下、生活水準低下)が多用されながら、『護』の役割がおざなりになった対象児も少なくはない。
 だが、新しい不良児童を世に出すよりはまだマシだとされ、制度自体が止まることはなかった。
 そうして矯正のレールに乗り損ねた哀れな『矯正落第児』たちは、二度と出られぬ【ゆりかご】の中へと堕ちていく。
 高校からドロップアウトしたおむつ退行児、西口ゆたかもまた、その一人に加わってしまった。

 迎えの送迎バス停の前で、母親はまるで自分自身を諭すように、ゆたかの新生活を見送った。
 永遠の別れではなくても、もう二度と戻れぬ道を往く娘を、憐れむように。
「ゆたか……ママは、怒ってないからね。全部ママが悪かったの。ゆたかの子育て、全部……」
「大丈夫ですよお、お母様。ゆたかちゃんのお世話は、全部私たちが責任もって行いますからあ」
 二人の間を阻むように、送迎にきた職員がベビーカーをバスの中へと運んで行く。
「あ、あぶぅ……むぐ、んむぅ……」
 普通のベビーカーの四~五倍はありそうな巨大なベビーカーに乗せらられたまま、バスに運び込まれたゆたかの返事は、咥えたおしゃぶりに阻まれて、鈍い泡となって口元から溢れた。
 底意地の悪い近所住民はほんのすこし前までゆたかのことを『おむつ返りの幼児化女子高生』と呼んでいたが、今やそんな陰口さえ吐くものはいなかった。余りに理解を超えた無様の前には軽々しい嘲笑の言葉も現れない。
「それじゃあ、発車おねがいします。いこうか、ゆたかちゃん。あなたの新しい『保育園』に」
「えぶぅ……あむ、ん、むぅぅ……」
 ボディスーツタイプのロンパースの首元には、ミルクのシミを残したよだれかけ。腰回りはパツンパツンに張り詰めており、おむつ替え用ボタンホック留めされた生地の隙間から、両足が閉じられないほどもこもこに当てられた紙おむつの柄が見えている。
 好奇や同情を超えて、一目しただけでは誰もが自らの目を疑う姿。
「ふぁ……あ、あぁぅう……んちゅ、んぅ……」
 16歳にして一歳児より幼い生後半年相当の年齢制限処置を受けた二度と育たない乳児化処置を受けたゆたかは、車内で惚けた表情を浮かべ、紙おむつにじわじわとお漏らしを広げていた。

 バスから降りた先にあったのは、常軌を逸した世界だった。
「ま、まんまぁっ……ぱいぱい、ぱいぱいちょーらいっ」
「びえええええんっ! ひぃちゃが、にののおもちゃとったぁ!」
 正気の人間なら、眼前の光景を地獄に重ねずにはいられなかっただろう。
「お、おうちかえる……ゆたか、がっこういくの……」
「大丈夫よ、ゆーちゃん。最初は慣れなくても先生たちが着いてるからね」
 まともさを失ったゆたかでさえ仲間入りを拒んでしまうほどに、『保育園』は魔境だった。
 矯正処置からドロップアウトした少女や元少女たちは、こうして集められ、ロンパースや園児服姿の下に、本来の腰回りよりも大きな厚ぼったい紙オムツをあてられながら生活していた。
「ほら、あの子、ゆーちゃんと同じけーたいでわるいことしてたから、最初は小学生からやり直したの。でもすぐにおねしょが始まって、お友達にからかわれたらお昼のお漏らしもしちゃって、それでも治らなかったから今じゃりっぱなあかちゃんに」
「や、いっちゃ、やぁ……」
「はずかしいよね、27ちゃいにもなってぱいぱいほちいって。うふふっ、ほんとはママになってもおかしくない歳なのにね」
 よだれを垂らし、幼児語をわめき、アニメの真似をして、オムツを汚して泣きじゃくる。
 もう二度と育つことのない幼児期に囚われた大きな赤ん坊は、下は19歳から上は27歳に至るまで、『保育園』という名の檻に収容され、子供のいない家庭の愛玩児童として引き取られてゆく定めにあった。ゆたかもまた、その一員に加わるのだ。
「ほら、ゆーちゃんは特別赤ちゃん返りが激しいから、ベビールームにいって過ごそうね」
「べ、べびーるーむ……ゆ、ゆたか、あかたん……なりたくないぃ……」
「何言ってるの、もう十分りっぱな赤ちゃんでしょ? ここにくるまでおむつ濡らしてたクセに」
「ひ、ひぃんっ……!」
 ベビーカーに固定された状態では、ただでさえ力の抜けた四肢は抵抗の役目すら果たさない。車を押した保育士の手でベルト越しにおむつを触られても、ゆたかは言われた通り登園中ぐずぐずと漏らした紙おむつの感覚から、ただ身をよじらせて悲しく鳴くことしかできずにいる。
「赤ちゃんには赤ちゃんにぴったりのお部屋を用意してあるわ。ほら、ここがゆーちゃんのだよ」
「う、うぅっ……! いらない……あ、あかたん、やらあ……!」
 口元から溢れるよだれに溺れそうになりながら呟く抗弁は、みじめな稚気に満ちていた。個室の保育室は、全ての調度品がゆたかサイズに用意されている。ベビーベッド、ベビーチェア、歩行器、交換用おむつの詰まった棚。用具入れにはひらがなで大きく「ゆたか」と書かれた徹底ぶりが更にゆたかを絶望の淵においつめていく。
「ほら、ここのおむつは全部ゆーちゃん用だよ? 赤ちゃんはお漏らしがお仕事だもんねぇ」
「やっ……といれでちーしゅる……おむちゅないないなのっ、おむちゅ、いやぁ……!」
「あはは、イヤイヤしながらお漏らししてるんだ。ゆーちゃん、ほんとに赤ちゃんなんだから」
「ふぇっ、うええん……!」
 事実、ゆたかがおむつを使う量は、保育園通いを始めて3倍に増えてしまった。朝も夜も、哺乳瓶をくわえさせられてる間さえ、おむつの中が濡れていない時間は日に日に少なくなっていった。
 おまるがいい、と言ったところで、エプロン姿の保育士たちは、ゆたかのような大きな赤ん坊の言葉を聞いてはくれなかった。それどころかーー。
「ゆーちゃん、がまんしてないでしちゃおうか? 体にわるいでしょ?」
「し、しない、もん……が、がまん、できるの……」
「はぁ、しょうがないなあ……じゃあ、いつものやっちゃおうか」
「い、いつものやらっ、おねがい、いいこにするからっ!」
 彼らはいつも、これ以上おむつを濡らすまいとベビーベッドの中で必死に堪えている時を狙い、抑制を失ったゆたかの膀胱を狙い撃つような真似ばかりを繰り返してきた。
「ほーら、ゆーちゃん。ちーのぽーずでちっちしちゃおうねー。ほーら、ちー、ちぃぃっ……」
「あ、ああぁ、やぁ、ちーやらぁ……ああああぁっ!?」
 幼児におしっこをさせるための、両足を抱えたおしっこポーズ。
 ベビー服におむつを着た状態で、耳元でおしっこを促す恥ずかしい幼児語を歌われただけでも、ゆたかの体は尽きせぬ泉のように、熱いせせらぎをおむつの中に広げてしまった。
「ひ、ひぅっ……あ、ああ、ち、ちっち、やぁあ……。おむつにちー、やらぁぁ……!」
「どうせちーしちゃうんだから、おとなしく漏らしちゃいなよ。ゆーちゃんには一生、おむつ卒業なんて無理なんだから」
「うあああん……! やらっ、あかちゃんやらっ、おむちゅもやらっ……おまるがいいのおっ!」
 今日もまた保育室に、おむつを替えられるゆたかの大号泣が響き渡る。
 誰にも聞き届けられなかった願いは足首に流れ落ちたお漏らしの雫のように、恥ずかしい痕だけを残していった。
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