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伏屋のづ

Author:伏屋のづ
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書き殴った【おむつ・おもらしフェチ】系妄想置いてます
だいたい月一でもえないごみがふえるよ
文章も構成も壊滅的なんで重箱の隅突きなど歓迎中
萌えについて模索中なので作風も質もブレまくるよ

2016/01
>あいかわらずにほんご書けてねえ
>よかったら好きなシチュ語ってもらえるとうれしいです
@ごみばこ

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trash #023

アネゴ《おねえちゃん》にはまだ早い? 新浜涼梨(にいはますずり)
(偉大なるネタ元「おねパン★」様:http://onesyopants.blog.fc2.com/blog-entry-45.html )

.■1
 家族の転勤で生まれ育った土地から離れたことが、涼梨にとっての転機だった。
 実際、中学校に入ってから涼梨自身も大きく変わった。クラスで五本の指に入るちびでほっぺの赤いおこちゃまだったのが、第二次性徴期からはぐんと背も伸び、中三の春を迎えた頃にはクラスで一二を争うほどにまでなっている。しかも、変われば変わるもので、女子三日会わざればを地で行く成長っぷりは背丈だけに留まりはしない。
 三才も年下の女の子からお下がりならぬ『お上がり』を貰っていて、人見知りの激しい泣き虫で、おどおどしながら友達の後をとてとてと着いて歩く女の子だった――なんて、今の涼梨を見て信じる者はいないだろう。

「――でさ、またあたしだけにそーいうこと言うんだよ!? 年上のクセにヒドくない? ねえこれヒドくないっ!?」
「また始まったし、ミヤのノロケ。こっちももうお腹いっぱいなんですけどー」
「そんなこと言わないでなぐさめてよー、頼れるのは涼梨姉さんだけなんだよぉ」
「姉さん言うな。てか同級生を勝手に老けキャラにすんなっ」

 授業の中休みともなれば、誰彼ともなく集まって涼梨を中心に人の輪が出来る。近づけない生徒は、遠目でそれを眺めるだけ。特に性に目覚めた男子たちには、目の毒と言っていいほど刺激的すぎた。退屈な学校に許されたオアシスを、横目でちらちらと盗み見てはごくりと生唾を飲んでいる。時折気付いた取り巻きたちが揶揄するも、ある意味、仕方のないことでもあった。
 机の上に座り、短いスカートから惜しげもなく晒したすらりとした美脚を斜め揃いに組む姿は、同性にさえどうしようもない劣情を誘ってしまっているのだから、美しさはまさに罪深い。それも脚だけなら救いがあっただろう。一部の性癖のみに応えるだけの容姿なら、誰もが涼梨に狂いなどしない。

「そーいう余裕がカッコいいんだって。お姉ちゃんっていうよりアネゴって感じで!」
「てか涼梨、見た目からして大人だろー。背も脚も長いし、この前だってモデルのスカウト引っかかってたじゃん! あの時だって『どこの大学通ってるの?』って!」
「そんなのただのセールストークだって、いちいち真に受ける話じゃ――って、今ミヤの話だったよね? もー、私弄りはあとで聞くから」

 黄色い声を上げ、まるでイケメン芸能人を前にしたかのようにはしゃぐ同級生たちの相手も、涼梨にとってはもうすっかり慣れたものだ。『はいはい、いつものパターンね』と、クールにさらっとあしらうだけ。最もその温度差が、更なる歓声を呼んでしまうのだが。

「いやいや! あたしも涼梨姉さんみたいにキレイになればカレシも態度変えるって! ほらほら、これ、この前の街角モテコーデ特集! 涼梨姉さん雑誌デビューしたやつみたいに!」
「もう、デビューとか大げさだってば。写真も大勢の内の一人だしっ」
「これでも大人っぽくないとか……ないわー、もうほんと羨ましすぎるんですけどー」

 同級生の一人が鞄から取り出したファッション誌が、涼梨を囲む少女たちの話題を消化不能なまでに燃え上がらせる、ダメ押しの燃料投下となった。仲間に見せるように大きく広げられたページは、街ゆく少女たちのファッションを撮ったスナップ写真の紹介コーナー。色とりどりと並ぶ中、目立つように大きく丸をつけられていたのは話題の主役、友人たちと一緒に遊びに行ったときに一人だけ撮られてしまった、涼梨の全身写真だ。しなやかに引き締まった165cmの長身ゆえか、黒地にビビッドカラーのイラストが踊るプリントTシャツに、チェックのミニスカートにドット柄のレギンス姿といった動きやすさ重視のスタイルでも一際映えて写っている。そばに付けられた『最年少!』のアオリがなければ、読者もまさか涼梨が中学生だと思わないだろう。
 静かに微笑むセミロングのクール系美少女。同級生と並べば2,3才は年上に見られるだけのことはある。撮影時、カメラマンに『どこの大学?』とまで訊ねられたのだからさもありなん、だ。
 そんな見た目も態度もオトナな涼梨だから、クラスメイトが慕ってくるのも日常茶飯事のこと。狂騒の中でも立ち居振る舞いを崩さぬ冷静さを保ちつつ、イヤな顔一つせずに真摯に人の話を聞く世話焼きさんなギャップ萌えに惹かれ、悩みを語る生徒も尽きない。

「ふふっ、別にそんなんじゃないしー。てか、もう相談終わり? それなら別に――」
「ちょっ!? まだ終わってないからっ! でさ、あたしも言い返したんだけどー……」

 誰もが認める『アネゴ』キャラ――家の外では、十五才の新浜涼梨は無敵だった。
 ――家での彼女を知るものは誰もいなければ、に限っての話だが。

.■2
 母親に頼み込んで新しい家の自室において貰ったクローゼットには、宝物がいっぱい詰まっている。休日を迎える前夜ともなれば、涼梨は欠かさず、宝箱と鏡の間を何度も往復していた。
 華麗な中学デビューを遂げて以降、人から見られることが自信となった涼梨にとって、コーデの組み合わせを考えるのは何よりも大事な時間になっている。片手で服を合わせながら、もう片手では、流行を纏うモデルが載ったファッション誌や少し年上の先輩女子が自画撮りを見せたコーデ紹介ブログを開いたスマホを片時も手放しはしない徹底ぶりだ。
 それも一度夢中になったら、周りのことなんて見えなくなるほどの熱心さが何時間も続いてしまう。見た目で勘違いされがちだが、涼梨だって年相応の無邪気さや純粋さから卒業できた訳ではないのだ。
 特に――夜ともなれば、『コドモ』の涼梨が顔を出す。
 今週もクラスメイトから抱えきれないほどの憧れと好意を浴びたことを思い出して、家の外で見せたクールさはどこへやら。明日着る服もようやく決まり、にへらと口元を緩めただらしない笑顔で鏡に写る自分の姿――今夜の部屋着は黒地に星柄、最近買ったお気に入りのシャツ――を眺めていた至福の時に。

「涼梨ー、寝る前のチェック忘れてるわよー」

 不意打ちに届いた声で夢見心地の涼梨に衝撃が走る。心臓を撃ち抜くショックに、思わず涼梨もびくん! と跳ねた。慌てて振り向けば、部屋のドアも開いている。気付かぬうちに、洗濯かごを抱えた母親は涼梨の聖域に侵入してしまっていた。

「まっ、ママっ!? 勝手に入ってこないでよおっ!」
「あらあら、また着せかえごっこしてたの? 相変わらず飽きないわねぇ、幼稚園上がる前からずーっと鏡の前でお姉ちゃんになりきってたのに」
「ごっことか、そんなんじゃないし……ってか、ドアノックしてよっ、サイテー……」

 さっきまで、鏡の前では一人前のお姉さん”気取り”だった涼梨でも、夢想中にも関わらずずかずかと土足で上がり込むような母親の配慮の無さを前にした途端、学校では自信に満ちあふれていた口調も態度も、一気になりを潜めてゆく。何度も母親を『お母さん』と呼ぼうと練習しても余裕がなくなると未だに『ママ』としか呼べないし、ちょっと昔の話を持ち出されるだけで、クールな美少女は何処へやら、すぐちっちゃな頃の自分が自信家の仮面の下から露わになる。
 背だって、もうとっくにママを超えてるのに……おどおどでぐずぐずの弱虫が一度顔を出すと、あれほど涼梨を大人に見せていた仕草や振る舞いも、一気に甘えん坊の幼稚な子に変わり果ててしまっていた。
 自分よりも小さな大人ともまともに目を合わせられず、言われっぱなしになっても反論一つ返せない。まるで母親にイタズラを叱られ、しょんぼりと縮こまる幼稚園児――それも、身体ばかり育ってしまった、中身はちっちゃな女の子、といった有様だ。無自覚に情けなさや恥ずかしさを強調するような落ち着きの無さには、長年つき合ってきた母親も思わず溜息が漏れるようで。

「だって涼梨、一度夢中になったらお返事してくれないでしょ? 新しいお洋服買ってあげた時もそう、鏡の前でお姉ちゃんの格好にうっとりして、おもらししちゃったの」
「そ、そんなの、小学生の時だからっ……起きてるときにはもうおもらしないしっ!」
「そう? 洗面所に置いてあったパンツ、今日もちょっと濡れてたのに?」
「もっ……もらしては、ないもん」

 おもらし――その単語を聞いた途端、長いまぶたの下で輝く涼梨の瞳に、じわっ……と沸き上がる感情が、うるうると大粒の雫を結んでは溜まっていく。目力の強い勝ち気な顔も、友人のジョークをあしらう余裕の名残も、もはや微塵も残ってはいなかった。
 まるでおしっこを我慢してる子みたいに内股を絞り、太ももでパジャマを挟むようにもじもじと身もだえて、言葉に出来ない『もうやめてよ……』を、悲壮な懇願を視線に込めて伝えようとした姿には、凜々しさやプライドなど欠片もない。
 もちろん、自分の思いを自分で言葉にしなければ、何一つ思いが伝わることなどはない。
 気付いてはいても、家族だからこそ厳しくしなければならないと、母親が執る態度も変わらないままだ。洗濯かごから取り出した涼梨の服をクローゼットにかけながら、彼女の視線を気にも留めずに話を続けてゆく。

「あんまり涼梨のオモラシ癖が続くようなら、せっかく取れたお昼のおむつもまた用意しなきゃいけないかしらねぇ」
「や、やだっ……ママ、お昼はパンツで大丈夫だから……学校でも一人でちゃんと、おトイレだって行けるし……」

 昼のおむつ、一人でおトイレ行けるから――学校では同級生の羨望を一身に受け、街中ではモデルさながらにファッションを楽しむような大人びた少女が口にするには、余りにも幼稚――いや、幼稚園児でさえ恥ずかしくて言えないような言葉が、次々と涼梨の口をついて出てしまう。生まれながらに社会性の高い女の子なら、羞恥心が芽生えるのは物心がつくよりも早い。きっと3歳児だって並べた言い訳のその幼稚さに、恥ずかしすぎて耐えきれずにわんわんと泣き出してしまう程の言葉は、15才にもなる涼梨には更に重くのし掛かってゆく。それでもあと一歩の所、感情の決壊を必死で抑え、大粒の涙も瞳に溜めたままに堪えていられたのは――そうしてしまえば、本当に3歳児より幼いんだと、自分で自分を認めてしまうことになるからだ。
 でも、もう、母親におむつやおもらしを心配されて、それを大丈夫だと言い張る時点で、同級生たちよりずっとずっと幼稚な子だってことには変わりない。母親が同級生と比べることがなかったから、涼梨もそれに気付かずにいられたのは、幸か不幸か。
 だってそれは……母親が涼梨のことを、良くも悪くも世間の15才の少女と、同等に扱ってはいないということだ。
 ぐずる涼梨に、母親も最後はいつも優しかった。
 それは涼梨が、自分が選ぶべき判断を委ねずにはいられない幼子のような娘だったから。

「じゃあ、おもらしちゃんと治すために頑張るのね? ちゃんとトイレトレーニングして、おむつ外れするの?」
「う、うん……涼梨、がんばるから……っ」

 こぼれそうな涙を拳で拭き、ぐしゃぐしゃにした顔を優しくタオルで拭いてあげながら――母親が、涼梨に促したのは。

「それじゃあ、夜もちゃんとチェックしなきゃダメでしょ? ほら、グズグズしてたらまたお漏らしするわよ?」
「う……うぅ……。や、やる、やるからっ……もう、急かすの、やだぁっ……」

 視線をくい、と持ち上げる母親のアイジェスチャー。躊躇いに数拍おいてから、のろのろと愚鈍な動作で涼梨もそれに従った。
 目に入るのも堪えられないとばかりに、なるべく自分の姿を見ないように。涼梨はまぶたをぎゅっと閉じたまま、下に穿いていたショートパンツに手をやって、そのままゆっくりと引きずり下ろしていく。来年には高校に上がるというのに、母親よりも大きな背を丸め、現実から必死に目をそらした臆病な素振りは、おどおどぐずぐずの泣き虫園児の頃から何一つとして変わっていない。ただ、思春期特有の肥大化した自意識故に、いくら現実逃避しても、涼梨自身自分が何をしているのかも痛いほどわかってしまっている。
 一人でパンツが穿けるようになってから、涼梨は毎晩、こうしてずっと、寝る前に母親に『ちゃんと穿けたかどうか』の確認チェックを受けていた。二,三歳児と同じ扱いというだけでも、耳たぶまでカッと熱を帯びるほど、羞恥が涼梨の顔面を真っ赤に染めてゆく。いくら視界をまぶたの裏の暗闇に閉ざせども、情けなさに萎縮した心では、パンツの中に秘めていた幼稚な下着のイメージを意識の外に追いやることもできず、尚更涼梨の心にまざまざと心像を描いてしまう。
 可愛らしいお姫様の絵柄に、腰全体を覆った厚ぼったいフォルム。しなやかで繊細な稜線をなぞるすらっとした脚や細い腰に、まるでそこにあるのがふさわしいとばかりにぴったりとフィットしている姿は、心と体がアンバランスなまま発育してしまった涼梨の成長と奇妙に重なっている。だが、自らの姿さえ視ようともしなかった涼梨に、そんな自分を省みる余裕などはなかった。
 ただ為すがまま一刻も早くこの仕打ちから逃れようと、不器用な手つきで一気に膝下までパジャマズボンを下ろし切る。
 中から露わになったのは――おねしょの治らない幼児のための、パンツタイプの紙おむつ――『おねしょパンツ』。

「ん、それじゃ涼梨、ベッドにねんねして。おむつから漏れてお外におねしょ布団干さないように、ね」
「……うん」

 母親に言われるがまま、おむつ姿でベッドにあがり、仰向けになる。それが、街や学校では最強無敵の『アネゴ』――だった、新浜涼梨のホントでナイショ。
 どれだけ格好つけてみても、母親の前では涙目の顔で紙おむつをさらし、紙おむつを穿かなければ夜もおねしょで眠れない、大きな大きな赤ちゃんでしかなかった。

.■3
 おむつだって一人で穿けるから、チェックなんていらない――なんて言った翌日に、寝相の悪さが祟り、足回りのギャザーから漏れた大量のおねしょでベッドに大きな世界地図を作ってしまった前科が、涼梨にはあった。
 外におねしょ布団を干すのはやめて、せっかく中学では誰もおねしょのことなんて知らないのに、おねしょっ子だって知られたら、また小学校の頃みたいにみんなから笑われるから――パジャマズボンの股からお尻にかけて広範囲に濃い色のシミを作り、床や太ももにぽたぽたとおもらしをこぼした情けない姿の上に、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃに汚しながら必死に懇願した結果、母親が恩情と称してつけた涼梨に条件が、『毎晩のおむつチェック』だった。
 それで許してもらえるなら――二つ返事で頷いた結果、涼梨の後悔は今なお現在進行形で続いている。

「ほら、脚広げて。……ほんと、身体だけはおっきくなっても、手の掛かるとこは変わらないんだから。お昼はお姉ちゃんでも夜はまだ、おむつの涼梨ちゃんなのよねぇ」
「そ、そんなの……い、いっ、言わなくて、いいから……っ」

 母親は慣れた手つきで、おねしょ娘が穿いた紙おむつの足回り、漏れ防止用ギャザーに指を入れ、内股に巻き込むことのないように形を整えていく。すやすやの夢見のうちに起こる大洪水を受け止めるための堤防が役目を果たさなければ、おむつからも漏らしてしまうのは目に見えていた。赤ん坊でさえ起こさないであろう醜態を晒した以上、涼梨の抵抗も無意味でしかない。

「あら、おむつがないとベッドに世界地図描いちゃうのは誰かしら? おねしょをするのは涼梨でしょ? 『中学生にもなって赤ちゃんとおんなじ紙おむつ穿いてるなんて、恥ずかしい……』くらいは思わないと、その内おむつにお漏らししちゃうのも当然になって、そのままずーっと一生おねしょ、一生おむつよ?」
「そ、そんな訳、ないしっ……一生おむつなんて……そんなの、しない……っ」

 決して怒ってはいないものの、反らした顔にも母親は何度も目線を合わせてきた。淡々と諭される方が、弱々しくなった心には余計に染みる。
 一生おねしょ、一生おむつ――どんなに大人になっても、どんなに女性らしくなっても、朝目覚める度にぐっしょりと濡れて、ずっしりと重たくなった生暖かいおねしょおむつから卒業できなければ、それはおむつの取れない赤ん坊と同じだ。
 背丈だって、胸だって、同級生からおこちゃま扱いされ続けた小学生時代から想像も出来ないほど成長したのだ。漸く大人の仲間入りができる希望とチャンスを手に入れた涼梨にとって、どれだけ未来に積み重ねても、たった一つの汚点で全て水の泡になる想像なんて、絶望ものの悪夢でしかない。
 大人になってもおねしょパンツを穿かなければ眠れない自分――反射的に浮んでしまうイメージが、また瞳を潤ませてしまう。

「生まれてからずーっとおむつ外れ出来ずにいるのって、それってもう一生でしょ? いくらお洋服でお姉ちゃんになっても、下着は赤ちゃんなんて恥ずかしくない?」
「は、恥ずかしいからっ……いま十分はずいからっ……は、早くしてよっ……も、もう寝る……夜更かししないからっ……」
「はいはい、それならいいわ。ほら、おむつチェックはこれで終わり。これでもうベッドも汚れないと思うわ――おむつから漏れるほど大量におねしょしない限りは、ね」

 未来にまで怯えきった涼梨に対して、母親は鷹揚な態度を崩さない。軽口を言いながら、チェックを終えた合図の代わりに、おむつの上をぽんぽんと優しく叩いてゆく。母親にとってはほんの些細なスキンシップのつもりだろうが、柔らかい生地が肌を撫でる感触は、涼梨の羞恥心を否応なしに煽ってしまう。悲しみ、情けなさ、怒り、嘆き――沸き上がる感情はぐちゃぐちゃのまま、一気に吹き上がっていく。

「も、もうっ、出てってよおっ!! わたしもう寝るからっ、おやすみママっ!」
「はいはい、おやすみなさい。また明日ね」

 けれど、精一杯吠えたつもりでも、『コドモ』の気持ちで涼梨が吐いた言葉は、『ママ』なんて親離れできない甘えん坊みたいな言葉だけ。ふくれっ面で母親の背中を見送るしかできず、行き場を失った悔しさは、自分で脱いだショートパンツをはき直すのも忘れるほどに、涼梨の胸中に渦巻いて、重く重く沈んでゆく。
 今にも絶望の淵に堕ちようとしていた涼梨を救ったのは、枕元に置いたスマートフォンから響く軽快な電子音だった。幸せなタイミングで、メッセージアプリが同級生から連絡が入ったことを知らせてくれたのだ。確認すれば、昼に聞かされたノロケ混じりの愚痴や相談の続きが書かれている。
 求められているなら、『アネゴ』にだって戻れる――傷心を慰めるように、涼梨も熱心にスマホの画面上に指を踊らせてゆく。
 夜更かしを厭わぬままに、涼梨は再び、夢中の世界に溺れてしまっていた。

.■4
 ――深夜二時。草木も眠る丑三つ時。誰も見届ける者のない世界で、異変は確かに起こっていた。

「ん……んぅ……っ」

 涼梨の寝室を照らした照明はこんな時間でもまだ明るい。片手に握ったままのスマフォの画面も、メッセージアプリ上に吹き出しを重ねている。おむつチェック直後から友人とのチャットに夢中になった涼梨は、今夜もまた寝落ちしてしまっていた。
 それでも夜は身体を冷やさないように、身体を包むタオルケットだけは手放してはいない。だが、悲しいかな。時折ベッドの上でもぞもぞ身悶え、下履き無しのおむつ姿を晒してしまう時点で、本末転倒、ほとんど意味をなしてはいない。
 睡眠の乱れ、下半身の冷え――自ら招く転落へ要素が、ごく当たり前の日常の帰結として、夢見る涼梨の身体に作用する。

「……っ、んんっ……」

 衝動的な生理欲求が下腹部から全身に走ったと知らせるように、脊髄反射、無意識の内に涼梨の背筋がぶるっと震えを見せる。
 無言の宣言の直後、静寂は容易く破られてしまった。

 ――じゅっ、じゅうぅっ、じょろっ、じょおおおぉぉっ……。

 タオルケットから顔を覗かせた可愛らしい『おねしょパンツ』から、まるで蛇口が壊れたような音が上がってゆく。澄ました顔で眠る涼梨にはあまりに不釣り合いな水流の響きと共に、徐々に膨みを見せたおねしょパンツの生地にも、じわじわと黄色が透けて染み渡っている。

「あぁ……く、ぅぅん……ふああぁ……っ」

 太ももをすり合わせながら母を求める子犬のように愛らしく鳴いたその表情も、いつしか無邪気な幼女のようなあどけなさを露わにし、それでいて頬をほのかに紅に染め、恋に恋する少女のように、甘い世界に蕩けきっただらしない笑みに変わっていた。

 ――しゅわあぁぁ……。しゅっ、じゅっ、しゅぅぅ……。

 徐々に弱まっていく奔流を名残惜しむように、切なげに内股をすり合わせ、その仕草で最後まで余韻を味わい尽くそうとする。そうして無意識の内に起きた密やかな悦び――一五才児のおむつおねしょ――は、当事者たる涼梨さえ知らぬ間に、夢見る内に果たされていく。

「ふへへぇ……ふぁあ……」

 だらしない声をあげ、甘えきった顔を晒した状態で、ちょろちょろと、わずかに膀胱に残っていた尿を、ぐっしょりと濡れたおむつの上に更にこぼしてゆく。無意識の内に行われたおねしょだけでなく夢の中でもおもらしの感覚に浸るほど、涼梨はもうとっくにダメになっているのだが、まだ、彼女自身、自覚の域にまで達していない。
 今はただ、恥ずかしくて情けない、赤ちゃんみたいなおねしょを、寝てる間だけ楽しんでいるに過ぎない。
 目覚めに必ず訪れるであろう代償を、涼梨はまだ、受け入れられずにいた。

.■5
 休日の朝、午前九時と六分過ぎ。いつもより遅い朝でも、涼梨はまだ眠りの中にいる。
 夢見の間だけに浸ることが出来た、おねしょやおもらしの開放感の後始末をせずに済むのは、不幸中の幸いでもあった。

「涼梨、入るわよー……。って、また電気つけっぱなしで寝て。もう、何度言っても聞かないんだから、おっきな赤ちゃんは」

 遠慮の二文字など端から持ち合わせていないとばかりに、母親は堂々と涼梨の部屋に足を踏み入れてゆく。何度も『おねしょが治らなくなるよ!』と叱ったのに、部屋の照明も握られたスマフォも電源が点いたままになっているのを見て、娘の学習能力のなさに嘆息を禁じ得ずにいた。

「友達が大事だからって、夜更かししてまで携帯触って……。お姉ちゃん扱いが嬉しいのはわかるけど」

 呆れに肩を落としながら、彼女のベッドへと近づこうとして――はたと、足が止まってしまった。
 鼻につく臭気が、気付かせたのだ。

「あぁもう、このにおい……。今日もダメなんてねえ……見なくてもわかるくらいしちゃってるし」

 まったく、涼梨ったら仕方ないんだから――一周回ってすでにあきらめを通り越した、赤ちゃんに世話を焼くのを楽しむ新米ママのような口調で、母がベッドの上に横たわる涼梨を包んだタオルケットをはがしてゆく。
 カエルみたいに大股開きになったあんよの間には、おしっこお知らせサインを浮かべた紙おむつが、大量のおねしょを吸ってすっかりたぷんたぷんになっていた。赤ちゃん用おむつではやっぱり一五歳児のおねしょまでは吸収しきれなかったのか、少量のおもらしがベッドの上にこぼれてシミになってしまっている。

「お姉ちゃんになれるのはまだまだ先のことみたいね、おもらしさん」

 くすっ、と微笑み、おむつに手をかけようとした瞬間。

「……絶対、治すからっ」

 ぱちり、大きな瞳を開いたかと思えば、突然目覚めた涼梨はベッドの上ですっくと立ち上がり、そこからドタドタと足音を立てながら、おねしょおむつのままに勢いよく部屋を飛び出していった。
 赤ちゃん扱いを嫌った涼梨が、風呂場に向かい自分でおねしょの世話が出来るようになったのは、つい最近のことだ。
 まだまだ手のかかるおむつっ子を見つめる母の表情は、窓辺から差し込む青空のように晴れやかだった。
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No title

「せっかく取れたお昼のおむつ」という言い方が取れてからまだ時間が経っていない様に感じました。布パンツよりおむつの期間が圧倒的に長い感じで少なくとも10歳半(七割)まで、願望混じりで取れてから一年ぐらいに。

なのでママのおむつチェックで夢見心地の間にお漏らししていてしかも気付かずにいた事が判明する展開を期待しました。

Re: No title

> 「せっかく取れたお昼のおむつ」という言い方が取れてからまだ時間が経っていない様に感じました。布パンツよりおむつの期間が圧倒的に長い感じで少なくとも10歳半(七割)まで、願望混じりで取れてから一年ぐらいに。
>
> なのでママのおむつチェックで夢見心地の間にお漏らししていてしかも気付かずにいた事が判明する展開を期待しました。

そこら辺は、ほんとお恥ずかしい話。考えなしでした、、
いいですね、そういう展開。私も読みたいです
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